「1人飲み」のいいところ
最近増えてきた「1人飲み」。
いわゆる「おひとり様」で飲み屋に行って飲むやつですね。
私はけっこうこれが好きで、週末なんかには近くの飲み屋にぷらっと入って1人で飲んでいます。
とはいっても、本当に1人でちびちび酒を飲むのは面白くないので、だいたいカウンターで隣に座っている人に話しかけて一緒に飲んでいます。
これが、なかなか面白いんですよね。
全く自分がこれまで出会ったことがないような人と話をして、いろんな話が聞けることが本当に楽しいなーと最近よく思います。
日常生活で出会う人って、だいたい固定されてきてしまうんですね。
1人暮らしをしている社会人であれば、会社の同僚、上司、部下と休みの日にたまに遊ぶ友人ぐらいではないでしょうか。
もちろんよく気ごころが知れた人たちと長く付き合うのもとても良いことなんですが、一方でずっと同じ人とばかり接しているとだんだんと自分の視野が狭くなってしまいがちになるものです。
マジメさんは、「視野が狭い」というのはよく言われるところではないでしょうか。
何よりも私がそうですね笑。
さすがにこれではよくないなと最近思い立ち、「1人飲み→知らない人に話しかける→仲良くなる→いろんな話を聞く」ことにチャレンジし始めました。
30代になるまでいきなり知らない人に話しかけるなんていうことをしたことがなかったので、最初はなかなかドキドキでした。
「いきなり話しかけて無視されたらどうしよう」とか「せっかく1人でお酒を飲んでいるところを邪魔したら悪いよな」とかいろいろ考えちゃいましたね。
でも、勇気を振りしぼって一度話しかけてみると、意外とすんなりお話できました。
最初に話しかけた人は私と同世代で、聞けば超筋金入りの巨人ファン。
一時期は1年間全試合のチケットをおさえて巨人の全試合を追っていたようです。
甲子園球場で周りがほとんど阪神ファンしかいなかったときもオレンジのユニフォームで巨人を応援、現地ファンと一触即発になることも少なくなかったとか。
競馬にもものすごく詳しくて、私が知らない競馬の世界を熱く語ってくれたのをよく覚えています。
その方がしみじみこう話していました。
「飲み屋でカウンターで肩を並べて飲んでたら、会社でどれだけ偉い人でもペーペーの若者でも一緒なんですよ。そんな肩書きを全部脱ぎ捨てて人間そのもので話ができるから、この飲み屋の雰囲気は好きなんですよね」
家庭でも会社でもない、いわば第3の居場所なのでしょうか。
どうしても日頃の生活で凝り固まってしまう自分のキャラクターみたいなものを、脱ぎ捨てて話ができるというのは、息抜きをする上でも本当にいいことだと思います。
私も、会社ではマジメ一辺倒なキャラクターが定着してしまっていますが、仕事が終わって飲み屋に行くと、自分でも別人格かと思うぐらいざっくばらんに話します。
あんまりはじけすぎて収拾がつかなくなるのもちょっと困りますが、日頃の生活で身にまとっている鎧を外せる場所が一つでもあると、生きやすさがグッと変わってくるなと、最近思うようになりました。
これまでそんなことしたことがないという人も、少し試してみると新しい世界が開けるかもしれませんね。